改めて注目が高まるコワーキングスペース企業

Photo credit: Foter.com

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ライドシェアリングのUberや民泊仲介サービスのAirBnBに加え、ワークプレイスの分野におけるシェアリング企業への注目が高まっています。ワークプレイスのシェアといえばコワーキングスペースや、サテライトオフィスと呼ばれる拠点が全国各地でここ数年増加し続けていますが、改めて注目が高まっているようです。

代表的な企業は、ニューヨークで2010年に創業されたワークスペースを提供する「WeWork」です。WeWorkは、会員になることでオープンスペースや個室、会議室などを利用することができます。会員が利用できるオフィスは、公式サイトによると、2017年3月の時点で38都市で156ヶ所あり、アメリカ、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、フランス、英国、香港、イスラエル、インド、韓国、メキシコ、オランダと世界各国に展開されています。

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また、Forbesの記事によると、weworkはオフィスの建設やデザイン、開発などすべての工程で自社で開発したソフトウェアを活用することで、無駄を徹底的に省きながらすばやく事業を拡大し、かつ効率的に運営できるそうです。

創業されてから7年しか経っていない企業ですが急成長を続けており、2016年12月に書かれたInc.の記事によると、ニューヨーク市で2番目に大きな私企業となりました。また、2017年2月26日のCNBCの記事によると、日本のソフトバンクが30億ドルもの出資することを検討しているとのことです。WeWorkが提供しているコワーキングスペースのサービスは以前から存在してきた分野ですが、なぜ今ここまで注目され、急成長を続けているのでしょうか。

WeWorkのようなコワーキングスペースは、これまでフリーランサーやスタートアップ向けと思われてきました。しかし、WeWorkの利用メンバーの14%は従業員500人以上の会社に属する従業員で、そこにはマイクロソフトやセールスフォース、マッキンゼーなども含まれています。これらの大企業はコワーキングスペースをビジネスの状況に応じて使うことで、オフィスの規模を柔軟に変更したり、世界各地に迅速に拠点を設けたり、急成長するビジネスの側にいることができるメリットを評価していると推測されます。

企業がビルなどの不動産を借りる場合、通常は大きな空間を長期間契約で借りることになります。しかしWeWorkが間に入ると、必要な面積を必要な期間だけ、面積も期間も小分けにして取引できるようになるわけです。たとえるなら、本来1枚単位でしか購入できないピザを多くの企業とシェアして一切れ単位の必要な分だけやり取りできるようになったということもできるでしょう。WeWorkからすると、オフィス空間を遊ばせず稼働率を上げることで収益率を高めることができます。

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なお、同様の高度化したコワーキングスペースのサービスは韓国にもあります。韓国には「読書室」という日本で言うところの「自習室」のようなビジネスがあります。学生などが図書館以外のところで落ち着いて勉強するための場所を提供するビジネスです。読書室ビジネス大手の「TOZ」はこの読書室のような空間ビジネスを多角的に行い、その中の一つとしてレンタルオフィスの事業「TOZ Business Center」も展開しています。現在では韓国政府が働き方改革として力を入れているテレワーク(韓国語ではスマートワーク)を行うための拠点(スマートワークセンター)の運営も手がけています。日本政府でも公務員の働き方改革に関連して、総務省が東急系列企業のコワーキングスペース企業「NewWork」と連携し、初の中央省庁による首都圏におけるサテライトオフィス型テレワークの取り組みを2016年11月29日から2017年3月31日まで行っています。

 

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