地方経済の担い手「地方豪族企業」を分析する

Photo credit: aakanayev via Foter.com / CC BY

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地方経済を考えるにあたって、地方で活躍する企業のことを考えるのは必要不可欠です。地方経済が疲弊しているといわれて久しい近年ですが、それでも地方に密着し、そこで必要となる産業を幅広く手掛けることで着実に収益を上げている企業は存在します。彼らを表す言葉には例えば「新・地方豪族」や「ヤンキーの虎」があります。

「新・地方豪族」とは「一見、ばらばらな事業を手広く手がけ、地方で勢力を増している新興企業」を指す言葉で、日経ビジネスによって作られた造語です。

参考:地方の観光を守るのはオレ!「地方豪族」がいま、熱い:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/080600042

また、博報堂の原田耀平氏が定義した「マイルドヤンキー」は地方消費の担い手とされましたが、彼らをまとめ、雇う存在として「ヤンキーの虎」という造語を藤野英人氏が作りました。

参考:なぜ「ヤンキーの虎」は地方を支配できるのか (東洋経済オンライン) – Yahoo!ニュース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160428-00115947-toyo-bus_all

書籍『ヤンキーの虎』(東洋経済新報社 藤野英人著、2016年)

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%81%AE%E8%99%8E-%E8%97%A4%E9%87%8E-%E8%8B%B1%E4%BA%BA/dp/4492396187

「ヤンキーの虎」は地縁・血縁をフルに活用し、大企業が進出しない分野に対してリスクを取って事業を行い、販売系や飲食など複数の業態を手がけて成長していきます。ある分野に進出して失敗しても、素早く他の事業へ転換することで失敗を最小限に抑えることができます。

「新・地方豪族」と「ヤンキーの虎」のどちらも、これからの地方経済の担い手として有望視できます。「新・地方豪族」や「ヤンキーの虎」の定義を参考にしつつ、独自に「地方豪族」の定義を定め、39社抽出し調査しました。「地方豪族」の特徴は以下のとおりです。

  •  生活に密着した業種

飲食や製造・販売、サービス、建築、不動産、物流・交通など一般消費者の生活に密着した事業を行う。

  • コングロマリット

創業時の事業を柱に、そのノウハウを活かせる異なる事業も幅広く手がけ、コングロマリットを形成している。自ら新しい分野に進出する場合と、地元企業を吸収する場合がある。

  • スピード感

業績によっては素早く事業内容を転換する。

  • フランチャイズ店舗の経営

フランチャイズ店舗の経営を行っている事が多い。そこから独自の事業展開をはじめることがある。

  • 創業年数

創業年数の浅いものから深いものまで多様である。

そして今回分析対象としたのは以下の39社となります。(本社住所の北から順)

今後は、これら「地方豪族」を分類分けしたり、観点別にランキングを作成したりして、より深くみていくことにします。

追記:地方豪族リストに含まれる企業は随時追加しています。最新のリストはこちらで公開しています。