EUがシェアリング・エコノミーの普及に関する文書を発表

出典:駐日欧州連合代表部

出典:駐日欧州連合代表部

6月2日、EUの欧州委員会は、成長が著しいシェアリング・エコノミーの普及に関するガイドラインとなる文書を発表しました。

シェアリング・エコノミーがヨーロッパの成長と雇用に貢献し得るとしたうえで、しかし各国でのこの新しいビジネスモデルに対する対応が場当たり的なものになっていることが指摘されています。

今回の文書は、EUの基本方針である「単一市場戦略の深化」(加盟する国・地域間の人、モノ、資本、サービスの市場の統合による、経済活動の円滑化、域内の調和を目指す)を新しいビジネスモデルにも適用し、新旧のサービス提供者行政、消費者の統一的な対応を可能にすることで均衡ある発展を促すために議論されていたのが決定されたものです。

文書では、シェアリング・エコノミーにまつわる法制度、税制、雇用、労働関係、消費者保護などについての指針が示されています。
例えば、サービス提供者と消費者には、ともに妥当な範囲でしか法的に規制してはならず、一方で所得税・法人税・付加価値税などの支払い義務があることが明確化されています。
また、サービスを提供するプラットフォームが市場を独占支配してしまうことが無いよう、公正な競争と、プラットフォームと個人利用者の関係や報酬について規定するよう求めています。
その上で、EU諸国はこれらに関する法・税制の整備と税の徴収が義務付けられています。

英語をはじめとする欧州諸語では、これらについての委員会の詳細な報告書なども公開されています。

●参考URL

欧州委員会、「シェアリングエコノミー」の普及に向けた文書を発表(駐日欧州連合代表部、6月2日)
Single Market and Standards – Collaborative economy(報告書(英語)も閲覧できます)