日米における都市とデジタルトランスフォーメーションに関するシンポジウムが開催されました
12月13日、コングレスクエア日本橋2FホールA・Bで、「日米における都市とデジタルトランスフォーメーション ~民・公における実践例~」と題されたシンポジウムが開催されました。
シンポジウムは櫻井美穂子研究員の進行の下、行われました。まず、「Preparing for the future of data use by local communities」と題されたハーバード大学ロースクールのSusan Crawford教授の講演では、デジタルトランスフォーメーションを進める上での課題と将来展望が紹介されました。
講演の中で都市とデータについて、「自動運転車と交通手段」、「トロントにおけるデータを念頭に置いてデザインされた新しい都市の景観」、「洪水や海面上昇などの水害」についてをユースケースとして挙げ、現状と理想、推奨すべきことについて述べました。
そして、シェアリングエコノミー協会代表理事で株式会社スペースマーケット代表取締役の重松大輔氏からは起業が活発なシェアリングエコノミー分野の現状や、ビジネスモデルやレンタルスペースの使用例の紹介を行いました。使用例には「インドア花見」やスポーツ観戦、コスプレの撮影所などユニークなものもありました。
レンタルスペースによって遊休資産の活用ができ、関係人口を創出するほか、経済性や利便性が高まるだけではなくやコミュニティの形成も期待できるとし、地方における少子高齢化や人口減少などの問題に対応できると述べました。
また、神戸市チーフ・イノベーション・オフィサーの関治之氏からは日本におけるシビックテックの動向と都市自治体との関わり・人材育成の取組みなどが紹介されました。
日本においてCode forのネットワークは80以上あり、ミートアップやアイデアソン、ハッカソン、Wikipedia Town、データビジュアライゼーションなどのワークショップ開催の他、自治体や民間組織へのコンサルティングや人材マッチングなどの活動を行っています。
同氏が代表理事を務めるCode for Japanは、ローカルフィールドラボとして企業の従業員が自治体で週に1日程度で3か月勤務し、マッチングやチームビルディング、メンタリングを行っています。2017年は8社、18フェロー、12自治体と連携しました。他にもデータアカデミーなどの取組みについて紹介しました。
パネルディスカッションでは庄司昌彦研究員がモデレーターとなり、デジタルトランスフォーメーションを推進することで目指すべき都市のあり方や、日米に共通する課題であるデジタル化・データ活用と行政文化の変容、人材育成のあり方などについて活発に意見が交わされました。
※講演資料PDFは下記URLで公開しています
http://www.glocom.ac.jp/events/4050