Civic Tech Summit KANAZAWA 2018でテクノロジーと地域のこれからに関する講演を行いました

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12月9日、金沢市のITビジネスプラザ武蔵において開催された「Civic Tech Summit KANAZAWA 2018」で、地域SNS研究会事務局の庄司昌彦(国際大学GLOCOM准教授)が「テクノロジーと地域の「ヒト・モノ・カネ」の未来」と題した講演を行いました。

講演では、まず官民が連携して低コストで先進的な試みを多数双発している地域として、福島県会津若松市を挙げ、その構造について解説しました。

次に、地域における資源としてヒト、モノ・場所、カネに続き、財政の厳しい人口減少・縮小社会でも枯渇しないものとして情報・データを挙げました。講演ではこれらの要素のうち、「ヒト・モノ・カネ」について先進的な事例を交えて解説しました。

ヒトに関しては、今後、平均世帯人員の減少や単独世帯の増加から2035年には単独世帯が37.2%となり、「夫婦と子」世帯の23.3%を上回ることから、これまで以上に「個人」を単位とする社会になると予想されます。これまでの全面的参加を要求される「単一社会」から、単属者である続ける者もいるものの、多くは、好みの縁でつながった集団にも帰属意識を持つ「複属者」が増える「複属社会」に変化していくとみられます。また、そのような社会では、ソーシャルメディアによる「複属」の日常化や働き方、意識や時間の使い方に変化が起こってくると予想されます。そのほか、「分人」や「関係人口」の言葉を紹介しながら人が地域にゆるやかに関わっていくことについて紹介しました。

モノ・場所に関しては、仕事内容に合わせて働く場所と時間を柔軟に選ぶ働き方である「アクティビティ・ベースド・ワーキング」をに注目し、オフィスや家の機能細分化・外部化・高度化・最適化についてWeWorkやアルベルゴ・ディフーゾなどの事例を紹介しました。また、サブスクリプションモデルのサービスについても取り上げ、地域のサービスにおけるサブスクリプションモデルのメリットなどについて紹介しました。また、シェアリングサービスについて、ソウルの事例を紹介しました。

カネに関しては、財政が厳しい中、いかに民間の力で地域を運営していくかについて、一つの方法として地元有力企業が寄付や投資をする「地方豪族企業」を取り上げました。地方豪族企業の一つとして今治造船を事例として挙げつつ、人々が購買し、移動し、消費する現場で人とかかわる地元企業は、世界的な大手ネット企業に限らずデータの生成・取得・活用の可能性があると指摘しました。

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