米国のご近所SNS「Nextdoor」が海外に進出
米国のご近所SNS「Nextdoor」が、国外でのサービス提供に向けた準備を開始し話題となっています。
「Nextdoor」はご近所付き合いを目的としたSNSで2011年に米国で誕生しました。利用者は同SNSを通じて、自分の住む地域の住人たちと、地域の情報や問題点をシェアしたり、草刈機やハシゴなどの物の貸し借りをしたりするなど、いわゆるご近所付き合いを行うことができます。現在、米国内の5000以上の地域コミュニティで「Nextdoor」は利用されていますが、その背景には米国においてもリアルでのご近所付き合いが減少しているという事実があるとされています。
2012年10月末に発生したハリケーン「サンディ」の被害の中でも「Nextdoor」が注目されました。米国東部を襲ったこのハリケーンによって多くの地域が被害を被りましたが、その際に「Nextdoor」は活用されたそうです。例えば、ハリケーンによって電気の供給は止まってしまったものの、携帯電話網が生きていた地域では、近所の損害状況の確認やニュースの共有、人数の確認など地域コミュニティにおける情報のハブとして同サービスは活用されました。ニューヨークでは、同サービス内に実装されている緊急アラートテキスト機能が、住民たちへの避難勧告に利用されました。さらにペンシルベニア州やヴァージニア州でも外出禁止・通行禁止の通知、避難シェルターの情報共有に利用されました。
こうした災害時における「Nextdoor」の有効性に注目した各国政府による要請が、今回の国外サービス提供への準備につながったと同社のCEOは説明しています。
日本においても災害時における地域SNSの活用事例があります。例えば、2008年の岩手・宮城内陸地震での「モリオネット」、2009年の静岡県東部地震での「e-じゃん掛川」、同年の集中豪雨における兵庫県佐用町の「さよっち」など複数報告されています。
■参考ページ
ご近所SNSから、世界的な災害時支援へ:Nextdoorが海外進出 « WIRED.jp
http://wired.jp/2012/11/05/nextdoor-international-expansion/
こたつの戯言 – 地域SNSによって可視化される災害救援・復興のつながり効果
http://sayo-chi.jp/blog/blog.php?key=8854